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鬼怒川・川治 体験ルポ

さわやかさと軽妙な語り口、力強く櫂を操る女船頭
      〜鬼怒川ライン下りの河村真由美さん(25歳)〜

鬼怒川ライン下りの河村真由美さん(25歳)

 へさきで片足を上げて踏ん張り、全体重を櫂(かい)に託すと、30人乗りの舟がグイッと進んだ。どこにこんなエネルギーがあるのか、と思わせる細身の体形。力強い櫂の操り方と併せ、さわやかさと軽妙な語り口で人気を呼んでいる。
 7月下旬、鬼怒川温泉駅から5分足らずの鬼怒川ライン下り乗り場から、河村さんの舟に乗ってみた。出発間もなく「ここが有名な楯岩。この先名所はありません」とジョークを飛ばし、緊張気味のお客さんを和ませ、笑いを誘った。「私はまだ半人前のヒヨコ。後ろの船頭さんはベテランなのでご安心を」とくったくがない。
 次いで、「象岩」「ゴリラ岩」「積木岩」・・・と、絶景に浮かぶ巨岩や奇怪な形をした岩を説明。時折、「何となく見てください」「これが分からない人はこの先何も分かりません」との軽口を交えると、乗客は大喜び。隣の若い男女は「紅葉シーズンにまた来よう」とつぶやき、下船していった。出発地点から6キロ、40分にわたる船旅はあっという間に下船場に着いた。
 2004年、「鬼怒高原開発株式会社」(日光市鬼怒川温泉大原)が経営する鬼怒川ライン下りに事務職として入社。その際に研修で舟に乗り「この仕事(船頭)がしたい」と思ったという。やっと念願がかなったが、船頭になるマニュアルはない。「体で覚えろ」と言われ、昨年4月から一生懸命、漕ぐ練習を始めた。体力をつけるため、筋肉トレーニングも始めた。昨年10月、へさきで櫂を操る舳(へ)乗りの船頭となった。
 本人は「勉強をすることがいっぱいあります。女性ならではの持ち味を出したい」と意欲的に話す。傍らで先輩は「しゃべり方がうまいし、人前で恥ずかしがらないのがいい。女性らしい細やかな気配りはさすがです」と優しい眼差しを向けていた。

 

鬼怒川ライン下り http://linekudari.com

 

2008年7月取材  ルポ担当:尚

 

 

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