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鬼怒川・川治 体験ルポ

水しぶきもうれしい:涼を求めて鬼怒川下り

水しぶきもうれしい:涼を求めて鬼怒川下り

鬼怒川温泉の見所はいうまでもなく、鬼怒川の激しくも優しい流れだ。しかし、川の近くを歩ける道はない。水の美しさや渓谷をじっくりと味わおうとすれば、舟で川を下るしかない。そこで出番は「鬼怒川ライン下り」となる。舟にはモーターはなく、日本中の「○○ライン下り」の中で、この種の舟としては最大級とか。舟を操り、お客さんに講釈をしてくれる船頭さんは約30人。うそや冗談も交えてのおしゃべりを楽しみながらの40分ほどの道中。

ホテルが立ち並ぶあたりからはうかがえないダイナミックな光景が目の前に迫る。巨大で奇怪な形の岩だけでなく、舟が近づいても逃げようとしない野鳥や岩にしがみつくように根を張る色彩鮮やかな野草も、道中をなごませてくれる。時折、水しぶきをかぶるのもご愛嬌。これからの季節はこの涼がたまらない。

ライン下りを運営する鬼怒高原開発専務の斉藤学さんによると、利用者はここ数年着実に伸び、昨年は前の年より10%増の15万3000人。「手つかずの自然の人気は根強い」と、「ハコ物」にない魅力を売り物に今年の利用者は20万人が目標と意気込む。

船頭さんの最年長、中村重一さんはこの道ひと筋30年。「来年、定年でね」と少し寂しそうだが、今年4月には15歳の少年が弟子入りしてきた。「1人前になるまでには5、6年はかかるな」と言いながらも、中村さんは若い後継者をまたひとり得た喜びを隠せない。

鬼怒川ライン下り  http://linekudari.com/

2007年6月取材 ルポ:福間宰

 


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