幼少時ならばいざ知らず、子供も小学生の高学年になってくると行動範囲はかなり広がってきます。好きなところに遊びにいってしまうので親の目が届かなくなることも多いでしょうし、習い事など通い慣れた道であれば夜でも一人でいかせる親御さんもたくさんいることでしょう。この子供達の行動範囲が広がることで、どうしても交通事故のリスクは増えてきます。それもまだ経験値が小さく成長期で活動的ですから、彼らは怖さを知りません。そのために無謀な行いをしたりリスクを考えずに動いてしまった結果、事故に巻き込まれるということがよくあります。
子供の交通事故の特徴
まず子供の交通事故の特徴としては、自宅から500メートル以内で多発するということを覚えておきましょう。道路横断中、自宅付近、夕方の時間帯、自転車による事故、小学生男子児童が子供の交通事故で多くなっています。曲がり角からの飛び出しや自転車でのスピードの出しすぎ、一時停止での無視など様々な要因があるのです。
自転車事故による高額請求も続いたため、現在では自転車に乗る歳には必ず自転車保険に加入するように決められています。しかし保険に入っても、どんなに言い聞かせても怖さを知らない故に猛スピードで突っ走ってしまうのが小さな子なのです。家庭においても、一時停止では必ず止まること、周囲に目をやること、音楽を聴きながらや携帯電話をみながら走行しないなど、しつこく言い聞かせることが必要です。
子どもに多い交通事故
また子どもに多い交通事故が、交差点での巻き込まれ事故です。ちゃんと青信号になるのを待ってから渡っていても、大型トラックの運転席からよく見えなかったという理由で事故に巻き込まれてしまう例が後を絶ちません。信号に従うことは勿論ですが、したがっていても、横断歩道上を歩いていても決して安全ではない、ということを伝えることは大切です。右折や左折をする車、信号の変り目で無理やり交差点へ侵入してくる車、横断中の歩行者に気がついていない車が世の中にはあるということを伝えましょう。信号を渡るときには必ず左右を確認し、近づいてくる車が止まったのを見てから渡るようにします。
また保護者が一緒にいる時には、子供は横か前を歩かせ手を引くようにしましょう。幼児は母親の後をついていくものです。そして何かに夢中になっている時には周囲のことなど全く気にしません。親の後を追って横断歩道に入り、そのまま轢かれてしまう子もたくさんいますので、横断歩道上では特に保護者は幼児からは目を離さないようにして下さい。
小さな子に抽象的な言葉はわかりませんから、親や周囲の大人が教える時には具体的に話すことが大切です。例えば「危ないから青信号を見てから渡ろうね」では何が危ないのかを子は理解出来ません。「信号が青の時には車は止まってくれるよ。赤の時は動いていて、ぶつかっちゃうから渡らないようにしようね」と具体的に教えることが必要なのです。「危ない」や「注意しなさい」では抽象的すぎますので、年齢が幼いうちにははっきりと具体例を出して説明しましょう。
車に乗っている子が道路に放り出されて轢かれてしまうこともよく起こっています。車に乗るときには後部座席でも必ずシートベルトをつけることは義務付けられていますので、泣くから、とか抱っこしているから、などと言い訳をしてシートベルトをしないなどということがないようにしなければなりません。運転をする人は同乗者の命を預かっているという自覚を持つべきです。シートベルトをすると子が嫌がって面倒くさいから、などと言っていては大切な命を失ってしまうかもしれません。車にのったらどの席に座ってもシートベルトをする、それは守りましょう。